スタッフ職向け目標管理のヒント
・経営計画達成に貢献する ・担当業務の生産性を向上する ・会社全体の生産性向上を支援する ・担当分野の関連コストの低減に貢献する ・顧客や取引先からの信頼度向上に貢献する ・経営諸資料の納期・品質を改善する ・経営陣、ライン担当者からの信頼度を向上する ・担当分野の諸制度の構築、改善に貢献する
これら成果は数値が難しいものが多く、また自分達の働きがすぐに結果となりかえってくるものではありません。
スタッフの働き → ラインや経営陣に良い影響 → 業績向上、という間接的な影響の与え方でなってきます。気をつけないと「やったようなやらないような」という目標になりやすく「目標を達成して何が良くなったのか」という曖昧なものになりやすいのです。
スタッフの目標は達成レベルが不明確なものが多いのですが「経営諸資料の納期短縮」「関連コストの低減」と「担当業務の生産性向上」については、それが比較的わかりやすく、総務部門・人事部門・経理部門であれば以下のようなコスト削減などは、ラインが協力してくれないことには、自分たちがいくらがんばっても達成できない、という要素があり『その協力を引き出すことがスタッフの使命である』と考えていくべきでしょう。
・教育予算の効率化を図る(教育効果は落とさずに全体で10%削減する)
・全社の通信費を5%削減する
・事務所コストを3%削減する
・採用関連コストを6%削減する
・月次決算速報を翌月の2日までに経営陣に渡せるようにする
・交通費精算業務を2割低減する
・年次決算業務を昨年対比3割削減する(年次決算業務関連で発生する残業時間を半減する)
「制度やシステムの改善、導入」目標は、経営陣評価・ライン部門長評価でピリオドをつけるのが最も効率的でしょう。例えば「新人事制度の導入案について12月までの役員会で承認を得る」としておきます。もしそれまでに承認を受ければ目標を達成したと見なし、それが遅れたり承認を得られなかったりすれば目標は達成できなかったとするのです。
なぜ他者評価でピリオドをつけるべきかといいますと「制度やシステムの改善、導入」というのは、以下のような目的(あるいは条件)が幾つかあるからです。例えば「社員のスケジュール共有化・メールシステム導入」という事例で考えてみましょう。
・仕事の効率的配分(特定の人に残業時間が偏るのを無くす)
・一人が得た情報をみんなで共有化することにより全体の業績を向上させる
・通達が全員に回るまでに最長1週間かかっていたものを2日以下に短縮する(組織としての動きを俊敏にする)
・初期投入コストは1000万円まで
・運用コストは毎月10万円以内
これらを目標の中に織り込みすべて記述する、というのも一つの方法でしょうが、言葉が増えて分かり難くなるという欠点もあります。事前に計画書を作成・承認をうけ、導入が終わった後で「部長会で評価を受ける」「役員会で承認を受ける」としておいた方が目標自体が表現できます。
歴史のある職場、情報システムが整備されている職場では、アンケートなどの手法で定性情報を定量情報として把握しておく、ということをお奨めします。
人事部門にとって「社員のやり甲斐感」などは定量化しにくいものですが、目標として追求すべき重要な要素となってきます。顧客満足度と同じように従業員満足度をアンケートで定期的に分析しておこなうのです。筆者個人の感覚からいうと「従業員満足度」という言葉には抵抗がありますが「社員のやり甲斐感」は是非、把握しておきたいものです。それら定量化されたものがあると、目標の達成レベルは簡単に設定できできます。
例えば今期は「20~30代の社員の職務満足ポイントを35点以上に高める」というような目標が作れるようになりますし、そうすればスタッフもラインと同じように、目標管理を「地に着いた活動」として効果的に活用できるようになってきます。
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文責:田辺和彦
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