部下をその気にさせる目標とは
目標が無機質で味気ないものであっては、決してメンバーはその気にはなりません。たとえ貴方が無機質な目標や課題をノルマとして与えられていたとしてもです。そのノルマに夢や希望、達成イメージを加えて表現することがリーダーやマネージャーの大切役割なのです。
NHKで放送されている「プロジェクトX」によると、ホンダCVCCエンジンを開発したプロジェクトチームのリーダーは「子供たちに青い空を残そう」と表現したそうですし、ホンダの創設者である本田宗一郎氏は「東名高速で100台抜ける車を作ろう!」と技術者たちを激励したと言います。『部下の心に響く言葉で、メンバーをリードする』ということがリーダーには求められるのだと思います。
目標管理シートを完成させるまでに次のステップを取り入れましょう。
・テーマの候補をつくる
・テーマの候補を上司とともに絞り込む
・テーマに達成レベルをつけ目標として完成させる
・達成レベルの善し悪しについて上司とすりあわせを行う
・達成手段やスケジュールをつくる
多少、遠回りをするように感じますが「急がば回れ」の諺にあるように結局は最も時間が少なく、やり直しも少なくてすむことになります。
・逆に、初めの段階でキレイに完成されたシートを作り込みすぎると、後々に苦労することになります。何故ならテーマ(何をWhat)が変われば、ためすべき事柄すなわち達成手段(どのようにHow)やスケジュールも変わってくるからです。
・目標管理制度を能力向上や戦略実現に活かそうとするなら、この「テーマ(何を)」について徹底的に考え抜きコミュニケーションすることが欠かせないからです。
上級管理職が一般社員と違う点は何でしょうか。部下がいるということであったり、ある程度の経費支出が認められていることであったり、また活動の自由度が高いことであったりすることではないでしょうか。
経営資源を与えられている分、成果をコントロールしやすいポジションにあり階層がトップに近ければ近いほど、目標も最終成果に近いところまで上げられるポジションにあるともいえますし、成果を上げられて当然なポジションにいるともいえます。最終成果とはどういったものでしょう? 以下のようなものが考えられます。
・決算書に現れる、コスト削減・効率向上・財務体質改善などの財務的成果
・決算書にはすぐには反映されない、事業の再構築・業界ポジションの向上・システムの設計・再構築などの重要な活動
しかし上級管理職であるにもかかわらず、活動的テーマを目標とされているケースをたまに見かけます、例えば以下がその例です。
・○○職の能力開発を促進すべく、○○研修を5回開催する
・大口顧客における営業マンとの同行訪問回数を倍増させる
・設計審査の回数を増やす
これらが中間管理職や一般社員であるなら問題はないかもしれません。しかし上級管理職が掲げる目標であるかというと、非常に疑問ありです。むしろ上記のものは「達成手段」の中に織り込み、本来の目標は以下のようなものにすべきではないでしょうか。
・○○職の一人あたりの売上を10%アップする
・大口顧客の前年対比売上高を5%以上高める
・自己責任による再設計業務の割合を半減させる
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文責:田辺和彦
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