バランススコアカード私見(田辺和彦)
バランススコアカードが提唱されて数年が経過しました。
「顧客の視点」「ビジネスプロセスの視点」「財務の視点」「能力の視点」にそってバランスよく目標を追求していこうという主旨には大賛成です。
企業はともすれば、短期的、財務的成果の追及に偏りがちです。
私もコンサルタントとして企業の目標管理や経営計画のコンサルティングをする場合には、この考え方を取り入れています。
ですが「バランススコアカード」の前提には疑問を持っています。
経営企画室や外部の経営コンサルタントなどの頭の良い人達が、KPIを見つけ、先行指標と遅行指標の関係を分析し、それを「考えるのが苦手な社員に説明し、理解させ、KPIを追及させればよい」という前提です。
意識的にそのような前提を置いているのではないかもしれませんが、私にはそのように感じられる部分がたくさんあります。
また「バランススコアカード」という考え方だけでは報酬が充分に取れないから、システム化をして・・・という考えも多少見え隠れしています。
情報システムの販売や導入が目的ではなく、本当の意味で「バランスよい目標を」という考え方は大切で、今後浸透していくものとは考えています。
文責:田辺和彦