『オブジェクト指向』と『成果主義マネジメント』
人事制度の世界では「成果主義」が主流です。今後ともそうなっていくものと思います。なぜなら「機能(プロセス)」をマネジメントしていれば、成果がほぼ一定、という時代ではなくなったからです。そのような仕事は、ソフトウェアや機械に取って代わられています。
一方、ソフトウェア開発の世界でも「機能(プロセス)」型の開発から「オブジェクト指向」型の開発へと移行しつつあります。いまその関係性について、つまり成果主義とオブジェクト指向との関係性についての問題意識をもって「オブジェクト指向」を勉強しつつあります。
ソフトウェア開発について不十分な見識であるものの、現時点では次のように考えています。
ソフトウェアの世界では、処理の複雑化が進むと同時にインターネットなどのインフラが整いつつあります。したがってソフトウェア全体をはじめから(形のない段階で)、全体の設計図が描けなくなってきているのだと思われます。顧客サイドも最初から「やりたいことのすべてが見えているわけではない」という状況なのでしょう(このあたりは日本経済新聞社が最近の顧客とSIerの訴訟について記事を掲載していたので参考にしてください)。
ソフトウェア工学的な解説では「ウオーターフォール型」が困難になってきているといわれています。企業のマネジメントにおいても、かつては企業は閉じられた世界のマネジメントをしていれば良かったのでしょう。組織の階層に沿ってホウレンソウしていれば、おおむね順調に経営できたのでしょう。
でも今日、サプライチェーン、企業買収、業務提携など、企業の外の人達とのコラボレーションも頻繁になってきました。企業内部でも、上司とホウレンソウしていればOKということではなくなってきています。「成果主義」であり「オブジェクト指向」型なのではないでしょうか。
文責:田辺和彦
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