『役割の大きさ』と『業績評価』を分ける?
人事制度、給与制度は、各社とも微妙に違いがあります。従って、以下の内容は一律には当てはまらないと思いますが、参考になれば幸いです。
「人事考課」と一言で括っている会社では、「大きな役割」「難しい仕事」に取り組んだ人が不利になることがあります。新しいチャレンジや、まだ定型化されていない職務が敬遠されます。部門間にまたがる重要課題が無視または先送りされる、という傾向があります。逆に自分の守備範囲を狭くし、自分の結果(管理職の場合は自部門の業績)をとりあえずは出そう、という自己中心的な意識が強くなりがちです。
米国企業では「職務」という「人とは切り離された仕事のまとまり」を明確にして、それを評価する、という手順「職務評価」というものが確立されています。業績をうんぬんする前に、その職務は、どの程度の価値があるのかを明確にし基本給や基本年俸を決める手順です。
日本企業では、等級制度である程度その考え方を実現しています。「役割の大きい人」は、等級が高く基本給も高い、という仕組みです。また目標管理制度の中で目標の難易度、目標のレベルを評価し、同じ等級の人が同じように目標を達成しても、賞与や昇給に差が出る、という仕組みを取り入る組織も多いようです。
従って日本企業でも、もう少し大きい役割にチャレンジをする人(昇進を伴わないが困難な役割にチャレンジする)部門間の課題解決に自ら動き出す人がもっと出てもよいはずなのですが、まだまだのように見えます。等級決定の際に加味している目標レベルで評価している、というだけでは、メッセージとして弱いのだろうと思います。
我が組織では「役割の大きさ」をきちんと評価しています。皆さんは可能な限り、より重要で困難な役割に取り組んでください。そのチャレンジの過程で、やり甲斐感を高め、成長を果たしてください。当社はそのようなチャレンジを歓迎し、側面支援します、というメッセージが弱いのだと思います。
「役割評価」「職務評価」については、改めて考え方を整理し紹介したいと思います。
文責:田辺和彦
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