自己評価の不確かさ ~フォーラー効果~
自己評価は不確かだ。従って評価方法などに工夫を加えないと上下の信頼関係を損ねる危険性がある。このような問題意識を持っていた私であるが、たまたま全く関係のない分野の本「一瞬で信じこませる話術 コールドリーディング 石井裕之著 フォレスト出版」 を読んで驚いた。
この本によると「バーナム効果」とか「フォーラー効果」と呼ばれる実験があったらしいのだ。1949年にバートラム・フォーラーという心理学者が「人間の自己評価なんていい加減なものだ」ということを証明するための実験であるらしい。
生徒たちを集めて性格診断テストをやり、後日「あなたの診断結果はこのようになりました」とレポートを渡して、その結果について「どれだけ当たっていると思うか」という評価を集計したというのだ。本当はテストの内容はどうでもいいダミーで、生徒たちに渡した診断結果レポートは全員まったく同じものだった。ところが、生徒たちは、5ポイント中、平均4.3ポイントという高い評価で「当たってる!」と感じた、というのだ。
客観的な指標がある事柄について、上司評価と部下の自己評価をすり合わせるなら良いが、そうでないなら工夫が必要だ! と改めて考えさせられた。
文責:田辺和彦
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