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判例が示す『公正な人事評価(人事考課)』とは

人事労務問題に詳しい弁護士の飛田先生によると、過去の裁判で「公正な評価であった」とするものとは、次のような要件を具えているようだ。

1.評価制度の整備・開示

2.評価制度の基準に基づいた適正な評価

3.評価結果の開示・説明

4.紛争処理

5.労働者の職務選択

6.能力開発制度の整備

1~3までは、それなりに対応している組織も多いと思う。しかし「4.紛争処理の仕組み」例えば「異議申立」制度などは、まだ導入されていないところが多いのではないだろうか?仮にあっても充分には活用されていないのではないだろうか?それは「紛争処理、異議申立」という文字が、かもし出すマイナスのイメージに原因があるかもしれない。

でも、「評価に納得がいかない」ということは起こってあたりまえではないかと思う。だから、数パーセントの割合で「申立」あるいは「質問をする」という社員がいることの方が、健全であるようにも思う。その声を受け止めるシステムが存在しない方が、不健全のような気もする。「上司の評価が納得できない社員がいる」という前提で、人事評価システムが組み立てられる必要があるのではないだろうか?

文責:田辺和彦

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