『加点評価』は、別の原資を用意してこそ本物 ~加点評価の落とし穴~
「加点評価として、プラスにのみ評価する」「減点主義の評価では、社員のやる気が高まらない。だからわが社は加点主義」、基本的には好ましい考え方だ。でも加点された結果、昇給や賞与の原資が別途上乗せされる、という実体を伴わないと本物ではない。
例えば海外出張に備えて、アフターファイブで中国語の勉強をしている人(仮にA君)がいる。こんな場合は、加点評価したくなる。しかし同じような状況でも、親の介護に時間をとられ、アフターファイブに時間を取れない人(B君)がいる。限られた原資(予算)の中でA君の評価が上がったとしたら、B君の評価は相対的に落ちることになる。
もし社員が二人しかいないと単純化して考えてみると、A君のアフターファイブでの自己啓発は加点評価しているのではない。B君の立場から言えばアフターファイブでの自己啓発は、減点評価されていることに等しい。
「個を見た人事管理」「加点主義」などかっこいいコンセプトには、それに伴う実体が必要だ。でなければ嘘をついていることになる。加点主義を謳うなら「賞与や昇給の予算に無理に収斂させない(予算に幅を見ておく)」「加点主義の対象分は別枠として予算を確保する」などの対処が必要だと思う。
文責:田辺和彦
- 人事考課診断はこちらへ
- 多面評価・360度フィードバックはこちらへ
- 評価傾向診断はこちらへ
360度評価(多面評価)/gdl360.comへのお問い合わせ
360度評価(多面評価)/gdl360.comへのお問い合わせは、お問い合わせフォームより承っております。お気軽にお問い合わせ下さい。
360度評価(多面評価)/gdl360.comへのお問い合わせお問い合わせフォームがご利用になれない場合は、下記のフリーダイアルをご利用ください。