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組織内部での目標の共有化 ~目標の共有化に失敗し倒産した会社~

「経営層や管理職が思うほど、社員は会社や部門の目標を理解していない。」
目標管理研修や考課者訓練、コンサルティングでの一般社員へのインタビューなどで、そう感じる事が多い。大手の研修会でも「○○という目標を持たされているんですけど、意味がわかりません」などの質問が飛んでくる事もある。

以下は私の担当したクライアント(バブル崩壊直後に倒産)での実話だ。

■コンサルタント:「御社では目標管理などは行われているのでしょうか?」
□社長:「ええ。もう長くやってます。」
■コンサルタント:「例えば、どのような目標をもたせているのですか?」
□社長:「○○などの目標は各人がしっかり理解し追求してくれています。」
□社長:「毎朝、全社員にテレビ会議で徹底していますし、他にも...。」

この話をもとに現場のマネージャーにインタビューした。

■コンサルタント:「皆さんは目標管理などをしておられると聞いたのですが?」
△マネージャー:「目標管理? ウーンそういうのはないな。」
■コンサルタント:「でも社長は○○の目標を徹底しているとおっしゃっていましたが?」
△マネージャー:「あ。それね。 目標というよりは経営者の希望だな。」
■コンサルタント:「?????」

一般的に上司が思うほど、部下は理解してくれていない。良い会社といわれている組織でも、概ねその傾向はある。強い会社には強い個性を持った人も多いようで、「全社一丸」「一枚岩」というような事は少ない。でも良い会社、良い組織は、そのギャップが少し小さい。

このような傾向があることを前提に、様々な取り組みをしているからだろう。理解度をキチンと把握しようとする姿勢、仕組みがあるように思う。そうでない会社は「熱心に伝えた→だから理解しいるはず」と思い込む傾向があるようだ。

部下が理解できるような説明、理解度を確認するための質問、浸透させるための確認、進捗状況が見た目で分かるような管理(見える化)などが大切なように思う。何よりも、自分と同じ程度に理解してくれているはずだ、と慢心しないことが大切だと思う。

文責:田辺和彦

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