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人はただ、私の話を聞いて欲しいと望んでいるだけ

マネジメントやリーダーには、傾聴のスキルが求められます。
相手の話しの内容のみならず、相手の気持ちをも十分に聞き取ることが大切だと言われて久しいものです。企業内研修にコーチングが導入され、管理者クラスの必須コースとなっている企業も少なくはないようです。コーチング研修では、コーチングのスキルが紹介され、種々のコーチングスキルの中で、最も重要で基本的なスキルとして傾聴のスキルが紹介されます。ここで先ず、傾聴が重要であることの本質的理由を述べてみたいと思います。

人は、自分の話を聞かれていないとあせりや不安、孤立感を覚えるものです。日常、私たちは人の話を聞いていないし、聞いてもらえていません。途中で口をはさんだり(はさまれたり)、コメントしたり(されたり)、反論したり(されたり)しています。私たちを取り巻くコミュニケーションの環境は、いつも忙しく、個人の感情や胸の内に抱える疑問や問題に耳を傾けることよりも、常に目先の問題や課題の解決を優先しています。誰もが、相手の話に耳を傾ける習慣は持ち合わせてはいないということが現実でしょう。

一方、人は自分の話を聞いて欲しいと思っているものです。相手の判断や答え、同情や共感を求めているのではなく、ただ「自分の話を聞いて欲しい」と望んでいるということを知っておくことが大切です。また他人に自分のことや思いを話している最中に、話すまで自分では気付いていなかった気持ちや事柄に気付くことがあります。人は他人と会話を交わし、言葉にしてアウトプットすることで、新たな自分のアイデアや本当の気持ちなどを認識することが出来ることがあります。このことが「聞く」ことの効用であり所謂コーチングの成果のひとつといえます。

このような点から、マネージャーやリーダーは、メンバーの話をじっくりと聞き、メンバーに新たな気付きや発見を見つけるよう、よい聞き手となることが求められているのです。

「聞く」ことの大切さ

・人は、自分の話を聞いてくれないと感じたら、人はそれ以上話す気分にならない。だから頷きや相槌などで「今、聞いているからね」というメッセージを送ることが大切。
・否定したり口を挟まれないで聞かれることで、人は自分を受け入れてもらったと感じる。だから相手の話を最後まで聞くことが大切。
・味方になって理解しようと聞かれていると感じる時、人は安心して話ができる。だから、どんな返答をしようかなどと考えることはしないで、身を入れて聞くことが大切。

著:時田文啓→360サポーターズ
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