カリスマ不要論? 性悪説? 『ビジョナリーカンパニー』
リーダーにカリスマ性は必要ない。と、この本の著者たちは断言する。
カリスマ性を持った人物が在任中はそれで引っ張れたとしても、退任後、組織がダメになることが多い。とまで言う。むしろ良いリーダーは「時を告げるのではなく、時計を作る」。
「時を告げる」というのは、時計が鳴るように、大きな音で目立つパフォーマンスをするという意味のようだ。「時計を作る」というのは、組織を時計のような精密機器に見立てて、それを作り込んでいくような行為のことだ。またあなたが退任しても時を刻み続ける組織を造りなさい。ということらしい。だが多くのリーダーは、自分にはカリスマ性がないと悩んでいる。だからセミナーなどで頻繁にカリスマ性の欠如に関する相談を受けるらしい。
それに対して彼らはこう言うのだそうだ。
私たちがコンサルタントとして接してきた経営者のうち、実に多くの人たちが、カリスマ的指導者に関する本や記事を読んで、自分のスタイルとの落差を感じて、質問している。「世間の注目を集めるカリスマ的な指導力が自分のスタイルではないとすれば、どうなるのか」。私たちの答はこうだ(中略)、自分が世間の注目を集めるカリスマ的指導者であれば、それはそれで良い。しかしそうでなくても問題はない。3M、P&G、ソニー、ボーイング、HP、メルクのような企業を築いた人々の仲間だといえるのだから。これらの経営者に似ているのだから問題はない。
そういえばSonyの創業者を正しくあげられる人は少ない。こう言ってもらえると、私のような凡人にも何だか勇気が湧いてくる。
著:田辺和彦 →360サポーターズ
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ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則
著者: ジェームズ・C・コリンズ / ジェリー・I・ポラス
訳者:山岡 洋一