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論理的であっても客観性を欠くことが?

概念的な言葉を簡単に定義・意味づけるのは非常に難しいことです。
辞書をみても、自分の感覚にピッタリおさまるよう解説されているものと、なんとなくしっくりこないものがあります。私自身の場合、しっくりこない一つが「論理」という言葉でした。辞書に書いてある「論理=議論の筋道、また論証の筋道」では、いまひとつわかったようでわからない感じをもちつづけていました。

言葉をすっきり理解できないこの居心地の悪さが、ある本で解決しました。タイトルが『論理的な話し方が面白いほどできる本』(成美文庫 西部直樹)といった文庫本です。この本では、「論理」は「結論と根拠の関係」でとらえられ、

結論=言いたいこと・主張・要求
根拠=なぜその結論になるのかの理由

つまり「論理」とは根拠と結論の関係に「筋道が通っているかどうか」で、周りの人を「その根拠による結論」で納得させることができるかと理解できました。実感として「論理」という言葉の意味がはじめてわかったという気持ちになりました。

ただ「論理」の意味が理解できたことで、今度は「論理性と客観性」の関係に混乱が生じています。因果関係を論理的に分析していくと見解・意見が対立したりするのは、根拠の設定が人によって異なるからとなります。根拠しだいで論理はいくつもありえるわけです。それに対して「客観性」は「普遍妥当性」ですから、答えは限定されなければならないはずです。ところが「客観性=普遍性」をもとめて論理的に考えていくと、論理展開によってたくさんの結論が生じてしまうという不思議な関係が発生します。「論理性と客観性」の関係は、どのように理解すればいいのでしょうか。

著:加宮利行→360サポーターズ
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