文脈変更による新しい概念の発想
「創造=既存知識の新しい組み合わせ」と定義されています。言葉でいえば非常に簡単ですが、実際に「どのようにすれば組み合わせをつくりだせるか」ということになると大変難しくなります。
そのため、いろいろな発想技法が開発されていますが「オズボーンのチェックリスト」のように簡単なものもあれば非常に複雑なものもあります。どのような方法であれ、一番重要なことは簡単に使いこせることです。いくら有効な方法でも、その使い方に苦労するようでは実践ではとても役に立ちません。どのような方法で発想しようが、そのテーマに関する既存知識の新しい組み合わせは、最終的にテーマに関する文脈の変更という形につながります。実践的な視点からアイデアを発想しようとするなら、難しい発想法に振り回されるより、まず文脈に焦点をあてその見直しを進めていく方法も有効となります。
文脈を見直すということは、従来の因果関係からはなれて、テーマに関係する文脈5W1Hを新しくすることです。特に新商品のアイデアの発想の場合は、商品に関する文脈のポイントとなる2W1Hの変更で思わぬアイデアが生まれます。実際の開発事例でも次のように2W1Hが焦点となっています。
商品名 | なにを | なぜ | どのようにする | |
1 | ホカロン | 酸化熱を | 体を温める | 袋に入れて携帯化 |
2 | 金鳥蚊取り線香 | 線香の形状を | 持続時間を長く | 直線から渦巻き化 |
3 | アイスノン | 保冷剤を | 準備を簡単に | 氷まくらの代用化 |
4 | オルファ | 刃先を | ロスを少なく | 本体と刃先の分離 |
5 | ポスト・イット・ノート | 付箋紙を | 落ちないように | 接着力を自在化 |
6 | ヘルシオ | 熱源を | 高温に | 蒸気の利用 |
著:加宮利行→360サポーターズ
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