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客観的に自分を観察する

自分のことは自分が一番知っている。」という。たしかに自分の思いは、他人にはうかがいしれない場合が多いから、他人よりも自分のほうがよく知っているはずである。
しかし自分の考えや行ないがはたして独善でなく、道理にかなっているのかどうか、社会的に正しいことかどうか、また人情の機微に適したものかどうかを評価する段になると、これはまた別だと思う。むしろその点については、他人の方がよく知っている場合が少なくないのではないか。

それはやはり人間というものは、どうしても知らず知らずのうちに自分中心に、あるいは自分本位に物事を考えがちになって、他人から見たらずいぶんおかしいことでも、一生懸命に考え、それを正しいと信じている場合が多いのである。

もしそのように自分自身にとらわれた自己本位の考え方を押し通そうとしたら、やはり物事が円滑に運ばないであろう。他人が傷つくか、あるいは自分が傷つくかするであろうし、ましてその考えが社会正義なり共同の幸せに反することならば、やがて自分の身を滅ぼしてしまうことにもなりかねない。こうした経験は、お互い多少とも持っているものであろう。それではどうすれば自分自身にとらわれない素直な心になれるのか。

その1つとして自分の心をいったん外に出して、その出した心で自分自身を眺め返してみる、つまり、客観的に自分で自分を観察するということである。
それを心がけることが、本来の自己信頼につながるということであろう。

著:佐藤創紀 →360サポーターズ
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