一流は『聞く6割、話す3割、沈黙1割』
「おもしろい話ができない」「ウケがとれない」...そんな風に、自分は話下手だと思っている人、ご安心を。コミュニケーションでは、話す力よりも聞く力の方が大事なのだそうです。
『一流の人の話し方』(川北義則/著、アスコム/刊)には、そんなちょっとしたコツで、誰とでも会話がはずむようになる秘けつが多数掲載されています。
■「聞く六割、話す三割、沈黙一割」のバランスを意識する
相手とのコミュニケーションを円滑に進めるためには「聞く六割、話す三割、沈黙一割」のバランスが重要です。話しているだけでも、聞いているだけでも、黙っているだけでもコミュニケーションは成立しません。
たとえば、行列のできるような占い師がいます。彼らはみな「聞き上手」です。とにかく我慢強く耳を傾け、何とか納得できるように答えてあげる。熟練のコミュニケーターですから、そこに円滑な会話、コミュニケーションを行うためのヒントがあるのでしょう。
まずは話し好きで、つい自分語りばかりしてしまう人は、まず相手の話に耳を傾けることから始めてみてはいかがでしょうか。
■会話から嫌いを消す
会話をしているとつい言ってしまうのが「あの人は好き」「あの人は嫌い」といった人物評価です。人にはさまざまな面があり、一度下した評価が覆ることはざらにあります。
こういったセリフを一度口にしてしまうと、それ以後評価が変わった時にそれを言いにくくなり、結果的に自分の気持ちを自分で束縛することになってしまうので「好き」はともかく「嫌い」という言葉は会話の中で使わないようにしたほうが、対人関係の面から見てもプラスになるでしょう。
このことについて「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の名文句で知られた映画評論家の故淀川長治さんは、次のようなことを言っています。
「A級、B級、C級を問わず、年に千本以上の映画を見ていると、正直なところ、この映画は何なんだ? と思う映画に出会うこともあります。でも、探してみると、必ず何かひとつ、いいものが見つかる。音楽、女優の髪型、履いている靴、ちょっとした仕種、何かある。だから、とにかく映画を観なさい」
淀川さんがどんな映画であれ、それを「嫌い」といったことがない人でした。終生、映画を愛し続けた淀川さんならではのエピソードでしょう。
■沈黙を恐れない
会話に慣れていない人にとって怖いのが会話の中の「沈黙」です。自分に自信がなかったり、気が弱い人ほど、会話の途中に沈黙するのを恐れます。
しかし、コミュニケーションの本質は相手の言うことを理解したうえで、自分が伝えるべき情報を伝えること。そのためには相手の言葉の意味を考える時間が必要なはずです。その「間」を取らずに言葉を返すと墓穴を掘ってしまったり、軽薄な印象を与えることにもなります。
"下手な鉄砲も数撃てば当たる"というたとえがあります。しかし会話においては、下手な言葉はいくら数を重ねても当たることはない、言葉を重ねるたびに相手の「心の的」からどんどん離れていくものなのです。それどころか、相手の気持ちをズタズタにしてしまうこともあるでしょう。的確な言葉が見つからなければ、沈黙するほうがいいのです。
会話力のせいで仕事やプライベートがうまくいかないのは勿体ないことです。本書には、話すコツはもちろん、上手な話の聞き方や、対人関係の距離の取り方などが、長くマスコミで活躍してきた著者ならではの実例を交えて解説されています。
本書を読むことで、今まで気がつかなかった自分の会話の中の悪癖や、他人の会話のいい点、悪い点がきっと見えてくるはずです。
*新刊JP編集部より
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