マスク以外にも、インフルエンザ対策は成長市場
冬をむかえ、新型インフルエンザの感染がますます拡大しそうです。その影響で家庭用のマスク市場が急拡大しています。出荷量は2009年は前年比8割増の340億円と見込まれ、今後のさらに販売量が増加しそうです。しかしインフルエンザ対策商品はマスクだけなのでしょうか。ウィルスなどの病原菌は、日常生活のいろいろな場所に大量に付着しています。不特定多数の人が利用する公共施設や交通機関などでは、必然的に多くなります。
たとえば、ビルのエスカレーターの手すりの病原菌は約13,000個、エレベーターのボタンで約7,500個、オフィスの必需品のパソコンのキーボードは約12,000個といった計測結果もでています。公共施設はスペースが広く管理も行き届きませんが、オフィスなどの私的空間なら病原菌対策も可能となります。なぜオフィスの環境を安全・清潔にする商品が開発されないのか不思議でしたが、ようやくこの手の商品が登場してきたようです。
先鞭をつけたのはシャープで、空気中に浮遊するウィルス菌を抑制するイオン発生装置を取り付けたコピー機を発売しました。コピー機の周辺を清潔にすればインフルエンザ対策にも少しは有効になりそうです。パソコンなども、キーボードを常に清潔な状態に保つ商品があればと思います。空気清浄機の優れた技術をもつ家電機器企業や病原菌知識に優れた医療品企業がパソコンメーカーと共同開発すれば、病原菌を抑えるパソコンが開発できるのではないでしょうか。インフルエンザ対策につながる環境改善型商品は、これからの成長市場と考えられます。