効果的な「人事考課会議」 - 考課基準を手元に -
印象や感覚評価に流されないようにする為には、人事考課マニュアルや考課要素の定義、考課基準、着眼点、などを持参して集まる。議論がブレそうになったり、かみ合ってない感じが出たら、客観的な基準にもどって検討する。
こんなイメージだ。
部 長:「Y君は考課項目で言うと[積極性]が弱いよな」
A課長:「深夜まで報告書をまとめてくれたり、前期は積極的な行動が見られました」
B課長:「それって[責任感]ではプラス評価してよい行為かもしれないけど、[積極性]で見てはいけないのでは?」
部 長:「人事考課マニュアルには[積極性]の定義が書いてなかった?」
B課長:「5ページにありますね」
A課長:「そうですね。与えられた仕事を完遂する努力は、確かに[責任感]でとらえるべきでした」
部 長:「Y君は、部会では相変わらず発言も少なかったしな~」
A課長:「新製品○○の提案件数も少なかったですから。やはり[積極性]については低めの評価が妥当かもしれません」
*ごく単純化しています。本番では、A課長にはもう少し違う行動事実の提起など、あっさり同調せずに踏ん張って欲しいところです。または事前にもっと考えて評価をつけるとか・・・。
人事考課調整会議や考課者訓練で、このような議論をする組織はまれだ。
抽象的な意見が飛び交い、議論がかみ合っていないところの方が多い。
マニュアルを渡しただけでは人事考課のコンセプトは共有されない(総務・人事部長からすると信じたくないぐらい理解していない。ほとんどの組織では流し読みする程度)。
制度変更時に説明会を開きました、では極めて弱い。
新任管理職研修で一回教える、だけでも弱い。
2~3度、考課者訓練を繰り返しても十分とは言えない。
毎年繰り返される人事考課調整会議は、人事考課のコンセプトを共有する絶好の機会だ。
■評価のクセを知るには→評価傾向診断
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