脱・年齢給! でも年功や長期勤務に報いる
「年齢給」は職能資格制度への日本企業か舵を切った1980年代に考え出された賃金の仕組みだ。
しかし、年齢給には、副作用や問題が多い。
年齢給を導入することによる主な副作用は、次の3つである。
「働き盛りの中堅社員」や「管理職」が世間水準から劣ってしまう(時にはそれが、転職の引き金に)人件費が重くなる(利益を圧迫し、開発投資など将来の利益創出にお金が回せなくなる。経営が先細りする危険性)上昇志向の社員への動機づけにマイナスの効果(どうせ努力よりも年齢で給与が変わるのだから・・・)
もちろん、悪いところばかりではない。
「年齢を重ねることで給与が上がる」という「社員の安心感」はアップするはずだし、50歳以降は「昇給打ち止め」や「55歳からマイナス昇給(減給)」などという荒業をかけることも不可能ではない。
しかし、今後は「年齢給」を取り巻く環境は、更に厳しさを増していく。以下のような環境変化である。
年齢給設計のための「モデル賃金」が、労働者全体を代表しなくなっている(「モデル」ではなく、単なる一つのケースとなっている)。「同一労働、同一賃金」の動きが加速(パートタイム労働法ではすでに「同一労働、同一賃金」の考え方が組み込まれている)。男女差別と同じように、先進国では「年齢による差別」という意識が高まりつつある。
いろいろと問題の多い年齢給から卒業し、でも、長期勤続のメリットは残す。
そのような人事制度、賃金制度にご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。