『コンピテンシー要素』を『行動』だけで構成しない
10年ほど前、ある注文住宅営業のハイパフォーマーにインタビューした。
その人は、きわめて無口、純朴、スローな話しぶりの人だった。第一印象は、なぜ、この人が契約を取れるのだろう? という感じだった。でもその営業スタイルを聞いていると、いくつかのコンピテンシーに行き当たった。
誠実な彼の顧客対応が、評判を呼んで、ご指名客が鈴なりだというのだ。「顧客志向」というコンピテンシーが高いのだろう、ということが想定された。彼のセールストークは、静かだが、明らかに顧客が彼の言うことの影響を受けている。「対人影響」が高いのだ。だが派手な身振り手振りはない。言葉も巧みではない。
彼の場合は、誠実な顧客対応、静かなセールストークの中で顧客からの信頼を獲得している感じだ。
ここでコンピテンシーディクショナリーを作成すると、往々にして「対人影響」の構成要素として「応酬話法」「交渉力」などの「行動やスキル」があげられる。でもそのディクショナリーは、ハイパフォーマーを生むかというと疑問だ。少なくともインタビューしたハイパフォーマーは、「余分な研修」を受けることになりそうだ。コンピテンシーを特定し、ディクショナリー化する際には、注意したいポイントだ。
■関連コメント<成果主義+プロセス主義でパフォーマーを殺さないで>
文責:田辺和彦
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